代表的な比率には次のようなものがあります。
これは会社がそのすべての資産を使ってどれだけの利益をあげたかを示すもので、会社の本業の利益獲得能力を見るための最も基本的な指標です。
これは、株主の投下元本ともいうべき純資産に対して、支払利息や税金を払った後の利益、言い換えれば配当の原資として使える利益がいくらあるかという、株主の観点から見た利益率の指標です。
こうした比率はすべて、分母に何らかの投下元本を、分子に何らかの果実、つまり利益をもってくることによって計算します。
投下元本はストックであり、果実はフローです。
銀行に預金した金額とその利息を考えれば分かりいいと思います。
その際、どういう投下元本でどういう果実を割るかということに注意する必要があります。
ROA、R0Eの定義は上に説明したとおりですが、機械的に計算していると本当の姿を見間違うことがあります。
分かりやすく例を挙げて説明します。
次のような2社があるとします。
この2社の売上高は同じで、営業利益も似たような水準にあります。
大きな違いは、A社には600の借入金があって、それに対して36の支払利息を払っているのに対し、B社は無借金会社で支払利息はなく、逆に10の受取利息がある、ということです。
収益力を比較するのに機械的に上記の指標を計算すると次の通りです。
この2つの指標で見る限り、会社の本業の収益力を示すROAで見ても、株主にとっての利益率を示すR0Eで見ても、A社のほうが優れているように見えます。
果たしてこの判断は正しいのでしょうか。
まず、ROAについて見てみましょう。
営業利益は会社の製造・販売活動によって獲得される利益です。
このために使われている総資産は、A社では、1,000です。
一方、B社は流動資産や有形固定資産はA社と同じです。
しかし、A社にはない投資有価証券200があります。
これは余裕資金が溜まっているものの、借入金がゼロになっているため、借入金の返済にまわすという使い道もないので債券運用にまわしているものと思われます。
これによって、受取利息10を稼いでいます。
受取利息は営業外収入ですので、この債券は営業利益獲得には何の貢献もしていません。
営業利益獲得に動員されている資産はA社と同じ1,000です。
これを使って営業利益100をあげているわけですから、分母分子を見合わせて計算したROAは10%(100÷1,000)となり、A社の9%より高くなります。
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